鹿妻穴堰
(かずまあなぜき)
この場所は「鹿妻穴堰 頭首工」といいます。
頭首工とは、川の水を農業用水として水路に引き込むために設ける「取入口」のことで、奥を流れるのは雫石川です。
この場所を頭首工として「鹿妻本堰」が、盛岡市南部 (盛南地区) ⇒ 矢巾町 ⇒ 紫波町まで流れています。
こちらの堰、農林水産省が日本の農業を支えてきた代表的な用水を選定する「疎水百選」に選ばれています。
今から約420年前、南部の殿様は、荒地に水田を作るため、水を引く用水路を作るように命じました。
作ったのは、釜津田甚六 (かまつだ・じんろく) という鉱山師です。
小学生の社会科見学の定番スポットになっています。
頭首工の周辺は「水辺公園」として整備されています。
川の反対側は山になっていて…
この周辺に「剣長根」という岩が突き出している部分があります。
自然の岩が突き出している場所であれば、決壊しにくいということで、岩を削り、頭首工が作られたといいます。
ちなみにこちらの道、明日開催される「いわて盛岡シティマラソン 2019」のコースになっています。このあたりから急に山道になります!
山側には「鹿妻神社」があり、水の神様 (罔象女神) と、釜津田甚六が祀られています。
2013年8月、岩手県内で大雨が降り、各地で土砂崩れや浸水が相次ぎました。
この周辺 (上太田地区) の被害も大きく、頭首工の前を走る道路も、しばらく通行止めになりました。
この先には、温泉郷の繋地区があり、観光シーズンに旅館やホテルが営業できないなど、大きな被害を受けました。
堰は市内に向かって流れていきます。
堰ができたことで、新田開発が進みました。
それにより、盛岡藩の石高 (こくだか) が、格段に増加したといいます。
現在も農業用水として使われている他、一般家庭から出る排水・防火用水・環境保護などにも役立っているといいます。
こちらは飯岡地区 (飯岡中学校付近) です。
この周辺の遊歩道には、地域の人々の手により、桜の木が植えられています。
春には満開の桜並木が楽しめます。
本堰から枝分かれして、多くの用水路が流れています。
盛岡南公園と中央卸売市場の間を通り…
矢巾町を通って、紫波町にて北上川に合流します。