ブラモリオカ

岩手県盛岡市の非公認ガイドです。盛岡もの識り検定(もりけん)2級合格者、もりおかコンシェルジュが色々書いています。

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岩手県の台風災害の歴史。

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※ 12日(土) 午後・盛岡の空です

 

各地に大きな爪跡を残した「台風19号」から、まもなく1週間になります。

 

岩手県内にも初めて「大雨特別警報」が発表されました。

 

東日本大震災からの復興の願いが込められた「ラグビーWカップ 第2戦」が中止、今年全線開通したばかりの三陸鉄道リアス線の一部不通など、岩手県内にも大きな被害が出ています。

 

震災、3年前の台風10号、そして今回と、3回被害を受けた地域もあります。

 

そこで今回は、これまでの歴史の中で、岩手県内に大きな被害をもたらした台風を、(一部ですが)調べてみました。

 

〇 明治43年の大水害

1910(明治43)年9月

 

8月から9月にかけて、北上川流域に3つの強力な台風が相次いで襲来。特に8月末から降り続いた雨の影響は大きかったといいます。

 

盛岡市内では、中津川に架かる下の橋・毘沙門橋・中の橋・与の字橋・上の橋が流失。北上川に架かる明治橋も流失し、残ったのは開運橋・夕顔瀬橋のみ。

 

市内が3つに分断される事態になりました。
 

この水害をきっかけに、北上川水系の河川改修が、本格的に検討され始めます。

 

※ 詳しくはこちら 

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〇 カスリーン台風

1947(昭和22)年9月

 

第二次世界大戦直後の混乱期、大きな被害をもたらしました。アメリカの占領下だったため、この名称で呼ばれたとのこと。

 

戦時中の供出のため、多くの樹木を伐採したことが保水力を低下させ、全国の被害を拡大させたといわれています。

 

岩手県内では、北上川やその支流が氾濫し、100名を超す死者が出ました。特に県南(現在の一関市周辺)地域の被害は甚大。

 

盛岡では、市内を流れる諸葛川の氾濫による前潟・厨川地区の浸水から始まり、徐々に市街地へ広がっていったといいます。

 

※ 前潟地区の諸葛川 (諸葛橋から)

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市の中心部では、鉈屋町・神子田付近が浸水し、当時の盛岡市立病院には避難者が押し寄せたといいます。

 

北上川・雫石川が大氾濫したにも関わらず、明治43年の大洪水のあと、護岸工事などの対策が進んでいた中津川は、比較的大人しかった模様です。

 

〇 アイオン台風

1948(昭和23)年9月

 

2年続けて巨大台風が襲来。大きな被害をもたらしました。戦争や前年の台風からの復興に追い打ちをかけたといいます。

 

岩手県内では、北上川やその支流が氾濫。一関市を中心に700名以上の死者・行方不明者が出るなど、前年の台風を上回る被害となりました。

 

2つの台風被害を受けて、北上川の治水が根本から見直されました。一関・平泉地域の河川改修が着手されると同時に、北上川水系のダム(5大ダム)の整備が急がれました。

 

【北上川5大ダム】

  1. 四十四田ダム (北上川・盛岡市)
  2. 御所ダム (雫石川・盛岡市)
  3. 田瀬ダム (猿ヶ石川・花巻市)
  4. 湯田ダム (和賀川・西和賀町)
  5. 石淵ダム (胆沢川・奥州市)

 

※ 四十四田ダム

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〇 台風15号

1981(昭和56)年8月 

 

岩手県内の被害は甚大。4名の死者を出しました。

 

盛岡では暴風の影響で、名所にもなっていた、岩手大学旧正門のユリノキ並木が倒れ、現在は1本が残るのみです。

 

※岩大旧正門とユリノキ

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〇 台風19号

1991(平成3)年9月 

 

通称「りんご台風」と呼ばれます。収穫直前の「りんご」などの農作物が甚大な被害を受けました。

 

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〇 台風6号

2002(平成14)年7月

 

岩手県内全域に大雨をもたらしました。

 

雨量は「カスリーン・アイオン台風」に匹敵。北上川(一関市狐禅寺付近)の最高水位は、2つの台風に次いだといいます。

 

盛岡市内を流れる簗川では、北上川との合流地点近くの堤防が一部崩落し、決壊寸前でした。付近の261世帯に避難指示が出ました。

 

※ 当時堤防が崩落した付近 (簗川橋から)

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岩手県内では、死者2名・負傷者9名・建物全半壊14戸・床上浸水1,122戸・床下浸水2,648戸と、被害は甚大でした。

 

〇 台風16号

2004(平成16)年8月

 

この年は、観測史上最多となる10個の台風が日本に上陸しています。

 

16号はこの年に上陸した台風の中では最大で、中心から離れた場所でも強い風が吹いたといいます。

 

盛岡市内では、名所にもなっている「上田一里塚」の松(14.8メートル)が根元から倒れ、大きなニュースになりました。

 

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〇 台風10号

2016(平成28)年8月

 

3年前、まだ記憶に新しい台風災害です。

 

複雑な動きをした台風(迷走台風)で、大船渡市付近に上陸しています。岩手県及び東北太平洋側への上陸は、観測史上初めてのことでした。

 

東日本大震災からの復興途中の沿岸地域を中心に、大きな被害を受けました。

 

特に岩泉町の被害は甚大。氾濫した小本川の濁流が高齢者施設に流れ込み、入居者9名の死亡が確認されました。

 

※ 当時洞窟から水が溢れだした龍泉洞

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岩手県内では岩泉町を中心に、1,100名以上の住民が孤立しました。

 

県内の死者24名・行方不明1名。

  

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