盛岡秋まつり
毎年9月14日・15日・16日
※ 13日(金)は前夜祭
このお祭りは、盛岡八幡宮の例大祭です。
町内会・山車同好会・観光協会を中心に、山車 (南部風流山車) が作られ、市内各地を練り歩きます。
南部風流山車
盛岡秋まつりに登場する山車の正式名称です。江戸のきっぷの良さと、京都の雅を融合させています。
人形は、歌舞伎・歴史上の名場面・偉人・神話・縁起物・昔話などが演目になります。
正面は「風流」と呼ばれます。
小太鼓が5~6個あり、小学生が担当します。
対して、背面は「見返し」と呼ばれます。
大太鼓が1~2個あり、こちらは大人が担当します。
太鼓の叩き方は、場面に応じて「一番」「二番」「三番 (三ツマッチャ)」「四番 (四ツマッチャ)」と、全部で4種類あります。
リズムは基本的に全組同じです。組によって、右から叩き始める or 左から叩き始めるなど、若干の違いがあります。
太鼓の他には、
- 露払い…最前列で進路を清める2人
- 手古舞…先導役の女性たち
- 笛
- 引手…山車を引く人
- 手木打ち…進行の合図を出す人
- 強力(ごうりき)…山車下の舵取り役
- 電線払い…山車てっぺんに乗る人
- 鐘
- 音頭上げ…(※後述)
など、役割は様々です。
山車の装飾は、次のように表現されています。
- 天 (松・桜・藤・牡丹・竹・紅葉など)
- 地 (岩)
- 人 (人形)
- 海 (波・しぶき・滝・荒磯など)
岩手県から青森県にかけての旧南部藩領には、山車が登場するお祭りが数多くあります。特にこの時期に集中しています。
NHKの朝ドラ『あまちゃん』にも登場した、久慈市「久慈秋まつり」の豪華な山車。劇中では「ミス北鉄」に選ばれたユイちゃんが乗っていました!
また、青森県八戸市で毎年夏に開催され、100万人以上の人出がある「八戸三社大祭」の豪華な山車。
2つとも、ルーツは盛岡の山車といわれています。それぞれの土地でかたちを変えて、年々豪華になっていったようです。
また、旧南部藩領だった花巻市。この時期に開催されるのが「花巻まつり」です。
こちらにも「風流山車」が登場しますが、盛岡の山車より歴史が長く、仙台の山車がルーツといわれています。
歴史
1709 (宝永6) 年、盛岡藩の城下町が完成します。
それを記念して、各町が趣向を凝らした「丁印 (ちょうじるし)」を、盛岡八幡宮に奉納したのが始まりといわれています。
【丁印】
徐々に、現在のような山車のかたちになっていったと考えられます。
丁印も風流山車と一緒に巡行されていましたが、明治期の大火で大半が焼失してしまったといいます。
上の写真のものは、昭和40年代まで実際に巡行されていました。
明治に入ると、祭りの運営が藩から町火消へと変わり、この時から盛岡八幡宮の例大祭になりました。
【盛岡八幡宮】
【明治期の山車】
明治の後半になると、電線の普及により、山車の背が急激に低くなったといいます。
昭和に入り、戦時色が強くなると、山車の制作も一時中断されます。
昭和の後半になると、徐々に祭りの盛り上がりがなくなります。1985 (昭和60) 年には、山車の参加が3台にまで落ち込みました。
1989 (平成元) 年、市制100年を記念して10台の山車が巡行。それからは、毎年7台~10台の山車が作られています。
音頭上げ
寄付をしてくれた家庭・店舗・施設の前で、「音頭上げ」という門付けを行います。内容は、演題 (山車の人形) の由来や、自分たちの団体に関するものです。
そして、山車の絵が描かれた「番付」を配布します。
山車作り・太鼓等の練習
お盆明けからすでにスタートしています。太鼓等の練習は、学校や仕事が終わった夜 (18時~20時頃) に行われます。
祭り期間中
一部の組では、13日から山車を巡行します。時間は組によって異なります。多くの組は車庫近くの地区をまわります。
14日以降は全ての組が、朝9時から山車の巡行をスタートさせます。
盛岡山車の特徴は、市内各地 (かなり広範囲) をまわることです。
決まったルートは無く、その年、その組によって異なります!
※ パレードについては後述
終了時間は、組によって若干変わります。
だいたいの目安として、14日は18時頃、15日は大通りから車庫に到着次第、16日はその組次第といった感じです。
9月14日
13時より「八幡下りパレード」が行われます。
盛岡八幡宮 ⇒ 八幡通り (八幡町) を、全ての山車がパレードします。
9月15日
18時より「大通り大絵巻パレード」が行われます。
もりおか歴史文化館 ⇒ 東大通り ⇒ 大通アーケードを、全ての山車がパレードします。
9月16日
組によっては、18時頃から町内の通りを封鎖して、盛大に山車が巡行されます。
なお、山車の巡行は、町内等から盛岡八幡宮への奉納を意味します。
例大祭の舞台である八幡宮境内でも、期間中 (13日~16日)、様々な行事があります。
特に、毎年16日・13時からの「流鏑馬」は必見です!
祭り期間中の詳細は、後程、詳しく書きたいと思います!