舟っこ流し 2019
2019年8月17日(土)
北上川・明治橋上流右岸
堤灯やお供え物で飾られた舟 (舟っこ) が川に浮かべられ、火が灯され、先祖の霊を送り無病息災を祈ります。
藩政時代から続く伝統行事です。毎年8月16日 (送り盆) に開催されます。
今年は台風10号の接近により、1日遅れで開催されました。昨年も大雨により18日に開催され、2年連続の順延となってしまいました。
お盆期間中、舟っこは各地区で展示されます。
(※ 8/14に撮影)
舟っこ流しと同日開催!
北上川フェスタ
in MORIOKA
かつて盛んだった「北上川の舟運文化」を再現し、町おこしに繋げようという取り組みです。一昨年より、年に数回開催されています。
目標は、盛岡から石巻まで、160kmの船旅 (3日間) を実現させることだそうです!
※「北上川に舟っこを運航する盛岡の会」HP
http://www.morioka-21net.com/funekko-morioka/
さて、舟っこが続々と集まってきました。
明治橋から南下し、仙北町を抜けると、津志田 (つしだ) 地区があります。
かつて、このあたりには「津志田遊郭」がありました。たくさんの遊郭が建ち並び、大勢の遊女がいて、たいへん賑わっていたといいます。
現在、その面影は全くありません。国道4号線沿いにある「大国神社」に絵が残されているのみです。
氾濫した川で、舟の転覆により亡くなった遊女達の霊を慰める供養が行われました。それが、先祖の霊を送る行事へと変化していったそうです。
(※ 諸説あり)
16時になり、全14艘の舟っこが北上川原に揃いました。
このあと、式典法要が行われました。
最近では、海外からの観光客も増えています。
よって、英語のアナウンスがあります。「舟っこ」のことを「Funekko Dragon Boat (フネッコ ドラゴン ボート)」と表現しています。
世代的に、どうしても「ドラゴンボール」に聞こえてしまう…。
この龍の頭を見て、90年代の少年達は「神龍 (シェンロン)」と言っていたものです。(ドラゴンボールを7つ集めると現れ、願いを叶えてくれる龍です)
法要が終わり、舟っこが順に移動します。
入水。
点火。
爆竹やロケット花火の音とともに、舟っこは勢いよく燃えていきます。
擬音語で表現すると「ボーボー、メラメラ、バチバチ、ピュ~ンピュ~ン」って感じ!
次の団体が続きます。
昔はどこの団体も、裸にフンドシが定番でしたが、時代とともに減ってきました。
近年は後継者不足が問題になっています!
舟っこが流される直前、各団体の紹介アナウンスを、地区の小学生が行います。また、今年は「子ども舟っこ」(近隣の仙北小学校の有志が制作) が初参加!
このように、若い世代の積極的な参加を促しています。子どもの頃から積極的に参加しておくことが、後継者育成に繋がるのだとか。
このあとも続きます。
河童も見物中!
かっぱ神さん
かつて、この川原は「浮島公園」という公園でした。そこにあった社に祀られていたご神体です。
護岸工事により、社がなくなってしまいました。
しばらくの間、本宮地区にある「大宮神社」に祀られていました。2007 (平成19) 年、この場所に戻ってきました。
昔は舟っこをそのまま川に流していました。近年は環境面を考慮して、途中で引き揚げられます。
さて、18時をまわり、徐々に薄暗くなってきました。
このあたりで…何となく…
♪ 去~年の あ~なたの 想~い出が…と流れてきそう。
舟っこが全て流されたあと「灯籠流し」が行われます。
その頃、全ての舟っこが流された先程の川原にて「投げ松明」が行われています。
かつて、この地を治めていた南部氏 (盛岡藩主) 。ゆかりの地である山梨県南部町に伝わる行事です。
「さんさ」からスタートした盛岡の夏祭りも、これで一通り終わりました。
最後に3,000発の花火が打ちあがります!